この会は、近年ますます増えている子どもの虐待や苛め、親子間のあいだに起こる事件や殺人に、大人である私達もけして無関心ではなくそれぞれの立場から【親子の絆を考える会】に賛同し、協力し、よりよい家庭や社会を作ることにさまざまに力を発揮していただこうという主旨で2004年に作られたものです。(順不同)
テレビのせいなのか、物量社会に翻弄されて人々がゆとりを失ったせいなのか、母が子に子守唄を歌ってやる光景が消えた。同時に子守唄も聞かれなくなった。これは明らかにひとつの文明が崩壊していく予兆である。私たちはもはや「ひたすら最後に行き着こうとする流れの中に身をゆだねている」(ニーチェ)。
ステレオタイプの道徳論や人道主義では何も打開はできない。よりプリミティブな座標からの提起を「親子の絆を考える会」に期待している。
作家/脚本家 市川森一