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H18.3.2(木) 産経新聞
○ 新連載「唄いつぐ」6日スタート
  エピソードでつづる子守唄
【1面】
 「母から子へ、そして孫へ」と唄い継がれてきた子守唄を、今また見つめ直したい。そんな願いをこめて、産経新聞では六日から長期連載企画「唄いつぐ」をオピニオン面で始めます。「日本子守唄協会」(西舘好子代表)の協力を得て、各界の著名人が週替わりで登場。月曜から三〜五回、子守唄にまつわるさまざまなエピソードをつづってもらいます。
 子守唄は縄文時代から存在し、その数も国内だけで五千にのぼります。
 唄いやすく、覚えやすい子守唄は、「三つ子の魂百まで」のことわざ通り、無意識に心の中に静かに記憶されます。
 最近では親から胎児、幼児への唄い聴かせが、脳の活性化につながるという科学の面からも研究が進み、注目されています。
 家庭や学校教育のあり方が問われている今こそ、子守唄を思いだし、親子のきずな、“人間の原点”を見つめ直したいと思います。
 西舘代表は「人の心が冷やりと感じる昨今、心の復権が最も大切。子守唄は暮らしの中に眠っていた宝石です。取り出し、磨き、使うことでより輝き、心を豊かにしてくれることを多くの人に伝えたい」と、意気込みを語っています。
 
連載「唄いつぐ」
唄いつぐ−親から子へ
 
日本子守唄協会代表 西舘好子
1)自分史の最初のページに輝く“主題歌”
2)幸せだった父の背中での時間
3)自然への祈り込めた縄文の人々
4)子守娘の境遇に万感の思い
5)母の役割の大切さ再認識を
 
詩人 松永伍一
1)田園の中にたたずむ“母子像”
2)祈る母の姿浮かび涙
3)死後の幻想漂う「五木」
4)歌声残し去った“恩人”たち”
5)高齢化時代の今「母守唄」を
 
元上野動物園長 中川志郎
1)舐めて子を寝つかせるパンダ
2)丹念に産座作り上げるクマ
3)“高等技術”で子を守るシカ
4)孵化前から交信するツルの親子
5)子守唄でペアの愛も育てるハト
 
作詞家 もず唱平
1)母の実人生と重なった「叱られて」
2)スリランカの誇り「マーバーラカーレ」
3)自分史にも登場する“デモ・ソング”
4)心揺さぶる「サマー・タイム」
5)「乳母さん」のために歌作り
 
元首相 森喜朗
1)流行歌好きで「悪い子」のレッテル
2)私を心配してしかった早世の母
3)祖父の影響が政治志す原点
4)「滅私奉公」を教えてくれた父
5)寝ない長男 夜を徹しあやす
 
参院議員 鈴木寛
1)「日光和楽踊」で世代超えたつながり実感
2)モンゴルで聴いた「さくら」に涙
3)音楽で育つ思いやりの心
 
桐蔭横浜大教授 ペマ・ギャルポ
1)健やかな成長「祈る」チベットの子守唄
2)年上の少女の淡い思い出
3)「ガラスの城」での鮮烈な記憶
4)穏やかさ失った最近の日本人
5)西洋にも広まる“癒やし”の経文
 
長崎シーボルト大教授 小林美智子
1)子育てにゆとり持てる環境を
2)「あやし」のできない母親たち
3)万国共通の心優しい歌声
4)心が痛んだ末娘の言葉
5)母乳こそ生命力の根源
 
女優 藤村志保
1)疎開先で聴いた「ほたるこい」
2)死装束を用意していた母
3)心打たれた叔父一家の絆
4)家族大切にした勝さんと雷蔵さん
5)読み聞かせで伝える思い
 
静岡県立大教授 高木桂蔵
1)祖母の「かぞえ唄」に感謝
2)故郷への愛着は各国共通
3)海外で埋もれる日本の「残した」唄
4)自国の曲演奏しない日本の交響楽団
5)地域に残る唄に関心を
 
赤枝六本木診療所院長 赤枝恒雄
1)つらかった“異常な”しつけ
2)“凍りついた家”に漂流する子供たち
3)子育ての極意は「観葉植物のケア」
4)赤ちゃんにやさしいお産を
5)出産への認識甘い女の子たち
 
作家 志茂田景樹
1)心に残る 兄の「コオロギよ」
2)父が口ずさんだアイヌの子守唄
3)「よい子に読み聞かせ隊」結成
4)「平家落人」の地に響く五木の子守唄
5)ホーム入所者が「赤とんぼ」に涙

映画監督 諏訪淳
1)「諏訪家」の末っ子として生まれて
2)琵琶の響きににじむ修行の年輪
3)「酒造り唄」は醸造過程の“子守唄”
4)風の音聞き孵化待つ モリアオガエルの卵
5)名もなき職人の作品にこそ宿る美
 
内閣府政務官 山谷えり子
1)柳行李に“入れ”父母はダンスホールへ
2)わが子通し「生命のリレー」実感
3)成長への祈り込めうたった「かなりや」
4)伝えたい「雑煮の味」と「子守唄」
5)息子の唄に反応した意識不明の夫
 
評論家 大宅映子
1)子供の眠る瞬間見る至福
2)母の生活実感こもる「早春賦」
3)結婚前夜の娘に贈った「ハッシュアバイ」
 
シャンソン歌手 石井好子
1)父の間のびした「南京街で」
2)パリで涙した越路さんの「五木の子守唄」
3)急場しのぎで訳した「クラリネットを・・・」
 
宗教学者 山折哲雄
1)弟への仕打ち 苦い記憶に
2)父親の心情 切々とうたう憶良
3)西行の歌に漂う娘への愛惜
4)聖徳太子像と重なる子供の姿
5)良寛さんの気高さ表れる「手まりうた」
 
わらべうた研究家 尾原昭夫
1)寂しさと訴えるような旋律 佐渡の子守唄
2)子をなだめすかす“狂言めいた”唄
3)“現代の桃源郷”八丈島で切々たる歌声に涙
4)異国情緒感じた九州の子守唄
5)景色だけでなく唄も雄大な八重山
 
元陸将 松島悠佐
1)阪神大震災被災者を癒やした自衛隊の演奏
2)詞の意味分からずとも伝わる歌の強さ
3)軍歌の底流にある「友を思いやる気持ち」
4)皆でうたう校歌は“人生の子守唄”
 
ギタリスト 原荘介
1)作家先生の教示で子守唄に出会う
2)私の心のひき出しにある「津軽の子守唄」
3)感情を揺さぶる不思議な音「ラ」
4)心開かす難しさ 唄の収集に苦労
5)全国展開目指す「子守唄サミット」
 
水産総合研究センター理事 小松正之
1)鯨やイルカ 交信音波の中にある?子守唄
2)子鯨の気持ちになって悲しんだか金子みすヾ
3)子を守ろうとする母鯨の深い愛情
4)故郷に思いはせ捕鯨再会に取り組む
 
寛永寺執事長 浦井正明
1)日本で初めて子守唄を収集した僧・行智
2)採録だけでなく子守唄分類の偉業も
3)実際の唄い方まで分かる厳格な歌詞表記
4)「親子の愛こそ日本人の特質」だった江戸期
5)失敗に裏打ちされた家康の子育て論
 
陶芸家 14代沈寿官
1)技術持つゆえ代々 自由制約された沈家
2)学問に裏打ちされた400年間の「心の誇り」
3)司馬遼太郎の前で「妙円寺詣り」うたい涙
4)日韓 2つの祖国持ちわき上がる不思議な感情
5)私を晩餐に招き「おれの弟だ」といった朴大統領
 
全日本ハーモニカ連盟理事長 斎藤寿孝
1)自身へのララバイ奏でるハーモニカ吹き
2)胎教のため自ら電蓄組み立てた父
3)モーツァルトの子守唄は「偽作」
 
作家  下重暁子
1)替え唄に哀しみの心託した「ねえや」
2)刺し子に見た 赤子への母の愛情
3)「父母の声」は孤独な自分への子守唄
4)学芸会で独唱「モーツァルトの子守唄」
5)“父の轍は踏まぬ”と誓い好きな声楽習う
 
女優  柴田美保子
1)子供なくとも誰かにうたってあげたい子守唄
2)温かい思い込めてこそ生きる子守唄
3)次世代見据え 壱岐から全国へ子守唄発信
 
声楽家 李順子
1)南北分断 まだ見ぬふるさと思いうたう
2)家事、子守、仕事の手伝い・・・母の力に
3)大阪への転居 民族意識に目覚める
4)朝鮮人であることが誇りだった亡き娘
5)母のいつくしみの心うたう「鳳仙花」
 
音楽評論家 湯川れい子
1)脳裏に残る 雷の閃光と母の乳の記憶
2)のどかで牧歌的だった疎開先の米沢
3)わが子への子守唄は夫の「プレスリー」
 
東大名誉教授 小林登
1)母親の気持ちも和ませる子守唄
2)児童虐待の日本“上陸”に衝撃
3)月明かりに照らされた優しい母の手
 
女優 浜美枝
1)無意識に出た子守唄・・・母の愛を実感した瞬間
2)民族の心の原点見た バスクの子守唄
3)ゆったりした時間・・・「かつての日本」残る沖縄
 
首都大学東京学長  西澤潤一
1)病弱で幼い私に ため息ついた母
2)幼子に基本的習性を“プリント”する子守唄
3)「人間の基本」伝承してくれる親子の触れ合い
4)科学の総力を結集し真の教育を
 
富山県射水市大島絵本館前館長 高井進
1)子守唄うたう余裕なかった貧家の母
2)第一人者の名画で忠孝精神育てた絵本
3)子守唄だと思っていた「御詠歌」と「盆踊り唄」
4)富山の雪景色から生まれた「雪やコンコ・・・」
5)子守唄の向こうに見える「心の故郷」
 
サトウハチロー記念館長 佐藤四郎
1)“文化人”と呼ばれるのを嫌った父、ハチロー
2)「ジョスランの子守歌」うたったハチローの母
3)オルゴールの音色愛したハチロー
4)「東北のわらべうた」武田忠一郎氏との不思議な縁
5)「ばあや」の浪花節に顔しかめたハチローの母
 
児童文化研究家 上笙一郎
1)村組のおばさんたちの家で聴いた子守唄
2)思いがけず発見した「桃太郎」のバラード
3)歌詞に雅語ちりばめ叙情的に
4)新鮮な感動 大正期の懸賞応募作
5)唄に込められる“母ごころ”読み取る子供
 
演劇研究家 河竹登志夫
1)若いお手伝いさんから教わった「江戸の子守唄」
2)父の「カイ」・・・浜辺の“妄想”で涙
3)浪花節吹き込み病床の父へ送る
4)級友が驚いた コンパでの「森の石松」
5)大衆芸能にも入り込み 人々なごませる
 
作家 笹倉明
1)乳幼児期は「球根」と同じ大切さ
2)息子の生まれ変わりとして私を育てた祖母
3)「背負うもの」あってこそ生まれた癒しの唄
4)団塊世代へ「つぐ」もの失った その親たち
5)「美」の部分も捨て去った戦後の日本
 
評論家 五代利矢子
1)浮世の喜びも哀しみも包み込むリズム
2)母は欧米、祖母は日本古来の子守唄
3)周囲の人も輝かす 新しい生命
 
歌手 綾乃ひびき
1)思いやりに通じる 自然を「感じる」力
2)必ず込められている「健やかで・・・」の願い
3)腹痛に-魔法の呪文-唱えてくれた父
4)イメージにより変わってしまう うたい方
5)島の“幸齢者”から教わった大切なこと
 
作家 五木寛之
1)ドキリとする怖さ潜む いにしえの歌詞
2)突然よみがえった「トラジの唄」
3)必要なのは「脳トレ」より「情トレ」
 
絵本翻訳家 みらいなな
1)私の人生に大きな影響を与えた「停電」
2)死を誠実にとらえた「葉っぱのフレディ」
3)赤ちゃんの言葉引き出す台本
 
生物学者 本川達雄
1)会えない子供へのあいさつに作った子守唄
2)プロだけの“特権”ではない歌作り
3)歌にすれば覚えやすい学習項目
4)「子供を作ること」は自分を永続させること
5)長生き時代に合致した「孫守」
 



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