歌い伝える 日本の唱歌
誰の心にも懐かしい歌があります。
一度は口ずさみ、折に触れてその唄がひょいと顔を出すという経験をお持ちのはずです。
その歌の始まりは・・・・
明治5年学制が設定され、そこからはじまった「唱歌」教育は音符も歌唱もわからなかった人たちにとって、何がなにやらわからない、という中で出発しました。
男に歌を教えるとは何事か、という人もいて、通学さえままならなかったという時代です。国は情操と、世界の近代化に追いつけ追い越せ、という意気込みではじめたのです。
様々な歴史の中で、私たちは暮らしに歌を取り入れ、日本の心は徐々に人々の心に浸透していきました。
様々な事情があったとはいえ、思い出と懐かしさと時代を反映して、唱歌は今も私たちの生活に彩と感性を伝えてくれています。
その歴史とありようをそして、時代の意義と役割の中で歌い伝えていくことを考えて行きたいと存じます。
皆様も歌ってください、そして、日本の心を伝えてください。
撮影:日本子守唄協会
開場前に入口前に長い行列が出来るほどで、開場と同時にお客様に次々入場いただきすぐに満員状態になりました。ありがとうございます。
第1部 「歌い伝える 日本の唱歌」
声楽家 藍川由美さんによる第1部が始まります。
唱歌に学ぶ洋楽受容の歴史〜一つの歌で千年の歴史がつながる国、それが日本〜と題して、和歌披講と国家が斉唱されました。古今和歌集(905年)に現在の国家「君が代」の歌詞があり、長い時代を経て歌い継がれていることが分かります。その他に和歌と小学校唱歌の関連性、文部省唱歌の変遷を歌に沿い、紹介・歌っていただきます。藍川さんの歌声には力があり、観客を歌の世界に引き込みます。
第1部終了後、休憩を挟んで、第2部「懐かしのメロディー集」がはじまります。
まず、浴衣姿でアカペラ・コーラスグループのSoft voiceが登場します。
通常この4人の歌う歌はすべてアカペラなのですが、今回は長谷川美佐子さんのピアノ伴奏で4曲を歌います。
またアカペラの曲も1曲歌っていただきました。
つづいて登場の稲村なおこさんに子守唄を3曲歌っていただきます。白いドレスも素敵です。
そして川口京子さんの登場です。
今回は特にユーモアを交えながら唱歌の解説、歌を披露し、和やかに進行します。
「君が代」の歌詞、メロディーにいろいろな変遷があることと、外国の作曲家による「君が代」を2曲歌っていただきました。
また、川口さんと産経新聞社 喜多由浩さんの2人の対談形式で満洲の子守唄について解説します。満洲の子守唄には、民族的にとても誇り高い歌があり、外来のメロディーから国内の子守唄に引継がれているものもあるという"ルーツ"の話で、その後 満洲の子守唄を川口さんに歌っていただきました。
稲村なおこさん、川口京子さんのお二人で歌唱していただきます。
次に松原健之さんとピアノ演奏の鳴海周平さんが登場。
松原さんは「われは海の子」など4曲を歌います。合間に笑いを交えて会場をなごませませ、時々黄色い声援も聞こえてきます。
日本子守唄協会 代表 西舘代表に、今年3月に亡くなった日本子守唄協会の名誉理事、松永伍一先生を偲んでのご挨拶をさせていただきます。その後、松永先生にゆかりの曲を3曲歌いました。
最後に会場の皆様と出演者全員で「ウミ」を合唱し、終演となりました。皆様どうもありがとうございました。
■出演
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Soft Voice(アカペラ・コーラスグループ) |