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守り子守りよ - 多紀郡今田町本荘
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守り子守りよ
多紀郡今田町本荘
守り子守りよ なぜ子を泣かすナ
お乳が食べとて 泣きなさる
ヨーイヨーイ コイコイ(以下囃しことば略)
お乳を食べとて 泣くのじゃないがナ
あとの守り子が 尻つめる
守りのつらいのは 霜月師走ナ
雪はちらちら 子は泣くし
旦那さんより お家さんがひどいナ
勤めかねます この半季
半季勤めて ここさえ出たらナ
あとは野となれ 山となれ
野にも山にも ならないけれどナ
おまえ出てから 乞食すな
おいておくれよ この家のうちにゃナ
石の土台が 腐るまで
守りよ守りよと 楽そに言うてじゃナ
守りが楽なら してみやれ
向こう山見りゃ 去にとてならぬナ
生まれ在所の 親のうち
生まれ在所の 親のうち去んでナ
もどりとうない お主さんへ
あの子憎い子じゃ わし見てにらむナ
わしも見てやろ 笑てやろ
あの子憎い子じゃ まな板にのせてナ
大根切るよに きざみたい
大根切るよに きざんでおいてナ
親に見せたら 血の涙
わしが死んだら しきびの花をナ
立てておくれよ ゆらゆらと
言うてみしゃんせ 今日は二十五日ナ
明日は六日 宮参り
男守りさん 恥ずかしゅないかナ
守りは女子に きめたもの
あの子見てやれ ぼた餅顔じゃナ
きな粉つけたら なおよかろ
ねんねしなされ 寝た子はかわいナ
起きて泣く子は 面憎い
歌はうたいたし 歌の節ゃ知らんナ
こんど都で 節なろて
こんど都で 節なろて来ててナ
うとて聞かそど 守り子さん
守り子三人 けんかのもとじゃナ
いっち二人が 仲が良い
もしお主さん 子がかわいならナ
守りを大事に かけなされ
守りを大事に かけさえすればナ
かわいこの子を たいせつに
わしは行きたい あの山越えてナ
いばらぼたんの 木の下へ
いばらぼたんの やさしき花にナ
針があるとは 知らなんだ
ねんねした子にゃ 赤い着物七つナ
起きて泣く子にゃ 帯一つ
わしはあの子に 言われたことはナ
死んで腐っても 忘りゃせぬ
死んで腐って もし忘れたらナ
わしはお前さんに 祈りつく
祈りついても まだ腹いらんナ
金の唐臼で はたきます
守り守りよと たくさんなげにナ
守りがありゃこそ 子が育つ
賽の河原で 石積みゃかわいナ
ののこやりたい 足袋添えて
寒い北風 ののこが着たいナ
ののこ質屋の 蔵にある
旦那お帰りか 足の湯をとろかナ
酒の燗しょか 床とろか
酒の燗しょか 床とるもよいナ
枕並べて 寝るもよい
わしとお前さんと 仲良くしましょナ
水と雑魚との 世にしょいな
守りはつらいもんじゃ 子に責められてナ
人に楽そに 思われて
空の星さん 数えて見ればナ
九千九つ 千七つ
ねた子ねなんだ子 枕に問えばナ
枕正直者 ねたと言うた
宮に参たら 何と言うて拝むナ
一生この子が まめなよに
一生この子が まめでさえあればナ
まめの祝いを して配る
わしが死んだら 十九と書いてナ
立てておくれや 墓じるし
秋がすんだら 休みに去んでナ
秋のつらさを 親につげる
泣いてくやんで 買うてもうら帯はナ
質におかれて 流された
性の悪いのは 男のがきじゃナ
口で言うたこと 手でがやく
楽譜 歌詞 A4縦 1頁
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