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旦那さんより
お家さんがひどい
勤めかねますこの半季

半季勤めて
ここさえ出たなら
あとは野となれ山となれ

野にも山にも
ならないけれど
おまえ出てから乞食すな

おいておくれよ
この家のうちにゃな
石の土台が腐るまで

守りよ守りよと
楽そに言うてじゃな
守りが楽ならしてみやれ

向こう山見りゃ
去にとてならぬ
生まれ在所の親のうち

あの子憎い子じゃ
わし見て睨むな
わしも見てやろ笑てやろ

あの子憎い子じゃ
まな板にのせてな
ダイコン刻むよに　刻みたい

ダイコン切るよに
刻んでおいて
親に見せたら血の涙

わしが死んだら
しきびの花をな
立てておくれよゆらゆらと

わしは行きたい
あの山こえて
いばらボタンの木の下へ

いばらボタンの
やさしき花にな
針があるとは知らなんだ

わしはあの子に
いわれたことはな
死んで腐ってもわすりゃせぬ

死んで腐っても
もし忘れたらな
わしはお前さんに祈りつく

祈りついても
まだ腹いらんな
金の唐臼で働きます

五木の子守唄の類歌。死んでも、生前の願いの多くを持ってあの世で楽ができればいい。せめて花をたむけてほしい、といった身近なことがうたわれている。

楽譜登録番号：SC2005101906
　　　登録年：2005年10月19日
　　　作品名：旦那さんより　お家さんがひどい
　　　採集地：兵庫県
　
参考資料
　うたってよ子守唄　あの日あの時 母のぬくもり