けさの寒さに - 球磨郡相良村四浦
けさの寒さに
球磨郡相良村四浦
けさの寒さに 親なら子なら
行くな戻れと ゆてくりょに
他人おそろし 闇夜はこわい
親と月夜は いつもよい
おどんが死んだなら 誰が泣いてくりょか
前の松山の 蝉が泣く
蝉じゃござらぬ 妹でござる
妹泣くなよ 気にかかる
おどんがごたってにゃ もの言うな名言うな
なさけかくるな 袖ひくな
なさけかくっちゅて 籾のぬかかけて
さまのなさけは かゆござる
こんなところに なぜ来たしらぬ
親が行くなと とめたのに
親はどこかと 豆腐にきけば
親は畠に 豆でおる
おどんが父さんな 桶屋でござる
朝はとんとことんとこ 輪をたたく
ねんねした子に 香箱七つ
起きて泣く子に 石七つ
あの子にくらし わしみて笑う
わしもみてやろ 笑てやろ
あの子えらそに 白足袋はいて
耳のうしろに あかためて
山でこわいのは さるとりいばら
里でこわいのは 守りの口
おどんがにくけりゃ 野山で殺せ
親にそのわけ 言うて殺せ
おどんがこの村に 一年とおれば
丸木柱に 角がたつ
丸木柱に 角がたつよりも
早くいとまが 出ればよい
おどんがおればこそ こん村がもむる
おどんが行ったあて 花がさす
花はさいても ろくな花はさかん
手足かかじる いげの花
楽譜 歌詞 A4縦 1頁
|
|