無意識の中に育まれる、無償の母親の愛情がその子の基本をつくり、その子の生涯に影響します。
毎晩母がうたう「子守唄」。そんな環境が子どもの心を育てます。
しかし現代、子どもたちを取り巻く環境は、けして良いとはいえません。
「親子の絆」の喪失は、高度成長時以降の現象です。
生活の豊かさや核家族増加の時期から、子どもたちの犯罪や虐待、薬物蔓延、いじめや引きこもりが多発しています。
子どもたちは、心を育てる情緒的な環境がない状態で育ってしまっているのでは……。
当協会は、唄やおはなしや伝承の文化を通し、母親たちの子育て支援をしてまいります。
これからも私たちは「すべての子どもたちが伸び伸びと成長する世界」をめざし活動を続けてまいります。
子守唄を聴くと、人はなぜ切ない気持ちになったり、涙を流したりするのでしょうか。
それは子守唄の旋律が人の心の一番深い所に触れるからです。人は生まれながらにして悲しいから、そして生きることの悲しさを知ることによって、より優しくなれるのです。
その旋律(いま日本にとっていちばん大切な旋律)が人の心を、涙を教え、勇気や、希望や夢を引き出してくれるはずです。
母を思い、父を思い、子供たちはヒトから人間へと成長していきます。子守唄の大切さ、意義深さは計り知れません。日本子守唄協会は日本の文化遺産としての子守唄の力を信じ、この唄を素材にして家庭の平和、国の平和、世界の平和を願って活動してまいります。