東里真中
平良市下里
(一)
東里 真中んよ ホーニャーホーイ〔東里の真中によ〕
己ぬ城 サーユイサ〔私の屋敷の〕
真中んよ ウチューラーヨー〔真中によ〕
(二)
八尋庭や 耕作すみよ〔八尋の庭を耕してよ〕
十尋庭や 耕作すみよ〔十尋の庭を耕してよ〕
(三)
八尋庭ぬ 真中んよ〔八尋の庭の真中によ〕
十尋庭ぬ 真中んよ〔十尋の庭の真中によ〕
(四)
蜜柑木や 植び生しよ〔蜜柑の木を植えてよ〕
十尋庭ぬ 真中んよ〔香り高い木を差してよ〕
(五)
植び生しぬ 来年よ〔植え育てての来年によ〕
差し生しぬ 翌年んよ〔差し育てての翌年によ〕
(六)
我んが回り 見りばどゥよ〔私が回ってみたところ〕
主ぬ回り 見りばどゥよ〔私が回ってみたところ〕
(七)
人が丈 なりうりばよ〔人の丈になっているよ〕
他人が丈 なりうりばよ〔大人の丈になっているよ〕
(八)
草取りや なでィ生しよ〔草取りして撫で育ててよ〕
枝やかき 立てィ生しよ〔枝を払い立て育ててよ〕
(九)
草取りぬ 翌年んよ〔草取りした翌年にはよ〕
枝かきぬ 来年よ〔枝を払った来年にはよ〕
(十)
花や花 咲き居りばよ〔花に花が咲いておればよ〕
実や実 なり居りばよ〔実に実がなっておればよ〕
(十一)
蜜柑木が 下あらんよ〔蜜柑の木の下でよ〕
香ばしゃ木が 下あらんよ〔香り高い木の下でよ〕
(十二)
我達じゃな 集なりよ〔私たち同志が集まってよ〕
守姉じゃな 集なりよ〔守姉同士が集まってよ〕
(十三)
蜜柑玉 貫き遊ばよ〔蜜柑の実で貫玉して遊ぼうよ〕
香ばしゃ玉 貫き遊ばよ〔香り高い玉を貫いて…〕
(十四)
十尋縄ん うてィずきゃよ〔十尋の綱を満たす程によ〕
八尋縄ん うてィずきゃよ〔八尋の綱を…〕
(十五)
我んが守り ぷどゥわさばよ〔…大きくしたらよ〕
姉がくぎ 丈わあさばよ〔…立派にしたらよ〕
(十六)
蜜柑木が うが如んよ〔蜜柑の木のように〕
香ばしゃ木が うが如んよ〔香り高い木のように〕
(十七)
島覆い 照り上がりよ〔島を覆い照り上がりなさい〕
国や覆い 照り上りよ〔国を覆って…〕