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ねんねこさいのこ - 那賀郡三隅町福浦
ねんねこさいのこ
那賀郡三隅町福浦
ねんねこ さいのこ 酒屋の子
酒屋の丁稚が言うことにゃ
わしの弟の千松が 七つ八つから金堀りに
金を掘るやら 死んだやら
一年たっても状が来ぬ
二年たっても状が来ぬ
三年三月に状が来て
状の文句を読んでみりゃ
みんなまめなか達者なか
わしもこのごろ 金堀りで
雨の降る日も風の日も
日にち毎日 穴の中
たまの休みのあるときに
故郷の空を 見てあれば
つんつんつばめが飛んで来て
先のつばめも 文持たず
中のつばめも文持たず
一番あとの子つばめが
チュンチュク チュンチュク
言うことにゃ
お前の恋しい かかさんは
去年の三月十四日
わずかな風邪が 元となり
お前のことを言いながら
とうとうあの世に行きました
お前も早く出世して
国の土産にしやしゃんせ
土産の品は なになにぞ
金か衣装か田畑か
金はこの世の回りもの
百千万両 あったとて
持ってあの世へ行かりゃせぬ
綾や綿の振り袖も
灰になったら ひとにぎり
田畑 田畑 家 屋敷
人手に渡ることもある
これは浮世の宝物
幾千万却 たったとて
変わらぬ宝は ただひとつ
人は心が第一よ 心直けりゃ身も直い
心強けりゃ身も強い
また来年の このごろにゃ
わしも元気で来るほどに
お前の家を宿にして
母のつとめを はたします
まずそれまでは さようなら
さよなら さよなら チュンチュクチュン
楽譜 歌詞 A4縦 1頁
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