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柴の折戸 - 西磐井郡平泉町
柴の折戸
西磐井郡平泉町
柴の折戸の 賤が家に
翁と媼が 住まいけり
翁は山に たきぎとり
媼は川に 布すすぎ
日ごと夜ごとの 世渡りも
いとあさましき 五十鈴川
流れ流れる 源に
流れ来たれる 桃の実の
世にたぐいなく 大ければ
あな珍しと 持ち帰り
座敷にすえて 愛ずるうち
桃はわれから 打ち割れて
男児が一人 出でにける
老の夫婦は 驚きつ
また喜びつ 取り上げて
桃の中より 出でたれば
桃の太郎と 名づけつつ
かざして花と 愛でにける
しだいに人と なるにつれ
健しくもまた 賢くして
翁と媼の 高き恩
深き恵みに 報いんと
鬼はときどき 人里に
渡りて憎き 振る舞いを
憎しと常に 思うより
きびの団子を かてとなし
犬猿雉子を 従えて
鬼が島へと 打ち渡り
鬼を平らげ その島の
黄金白金 種々の
宝を納め 帰り来て
翁と媼に ささげたり
豊かに富める 身となりて
親に仕える 忠実心
げにありがたき ためしなり
鬼ちょうものは 世の中の
邪な人を 鬼という
おさな心に 善し悪しを
知らせんために 伝えたる
昔の人の かぞえ草
楽譜 歌詞 A4縦 1頁 20.9KByte
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